So-net無料ブログ作成

剣客商売 [読書]

読書の秋です。こういう過ごしやすい時は時代小説をじっくり読むのもいいですね。

そこでまずお勧めしたいのがこれ。

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

  • 作者: 池波 正太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫

 

「剣客商売」

 これは通勤時に読んでました。これを読んでいるときは非常に気分が良かったですね。
 1年ほど電車・バス通勤をしてみてわかったのですが、通勤時に適している本にはいくつか条件があり、それにぴったりなのがこの「剣客商売」でした。

1.基本は短編なのでちょっとずつ読めます。通勤で読んでいると、どうしても途切れ途切れになることが多く、長編だと「ここから先が気になる!」というところで職場に着いてしまったりすることもあり、モヤモヤ感が残ります(笑)。

2.文庫本なので物理的に軽い。当然持ち運びを考えると軽い方が良いです。

3.内容的に軽い(暗くない)。あまり重苦しい話を朝から読んでしまうと、正直ブルーな気持ちになってしまいます。その点、「剣客商売」は小兵衛とおはるのやりとりなど、思わずニヤリとしてしまうようなやりとりや、小兵衛や大二郎の胸のすくような活躍を読んでいればすっきりと1日のスタートがきれますし、1日を締めることも出来ます。
  もちろん「軽くない」話もありますが、話が現代ではないのでそれほど気持ち的に重くはならないです。

 

 もっとも、時代小説というと、「なんか難しそう」と考える方もいるかも知れません。

 でも、この話は非常にわかりやすいです。

 ストーリーも比較的シンプルですし、人間の強さ、弱さをちりばめた展開は味わい深く、またキャラクターが「たっている」ために、最初読んだ時には「アニメ化しても面白いかな」などとも思いました。

 めちゃくちゃ強いが女には弱い「亀仙人的」小兵衛に、やっぱりめちゃくちゃ強いが女性の免疫ゼロの「悟空的」大二郎、「元祖(?)ツンデレキャラ」三冬など、そっちの世界でも受け入れられるのではないかと思うほどです。

 それからもう一点。池波作品で欠かせないのが「グルメ」。江戸中期における「食」が時々出てくるのですが、「間違いなくうまい」と思わせるその表現はおもわず生唾ものです。
 旬の食材をシンプルにいただく。現代ではそのこと自体が贅沢になってしまった感がありますが、今も昔も変わらず、それがおいしく食べるための基本なんだなぁと強く感じます。

 通勤時はもちろん、それ以外の時でも十分楽しめる「エンターテイメント小説」ですので、老若男女、誰にでもお勧めできる作品です。

 

 それにしても「毛饅頭」は自分も知らなかった(笑)


ノルウェイの森 [読書]

ノルウェイの森がとうとう映画化されるようです。 

「ノルウェイの森」映画化、10年公開予定

 作家村上春樹氏(59)のベストセラー「ノルウェイの森」が映画化されることが30日、分かった。木村拓哉が出演する「I Come With The Rain」を手掛けたベトナム出身、フランスで活躍するトラン・アン・ユン監督(45)がメガホンを取る。キャストは日本人俳優だが未定。来年2月にクランクイン、10年公開予定。
 同作は87年に発表され、単行本と文庫本合わせて約870万部を売り上げ、36言語に翻訳された。ユン監督はフランス語版を読み映画化を希望したという。04年、製作・配給するアスミック・エースエンタテインメントの小川真司プロデューサーを交え、村上氏に映画化を申し入れた。村上氏がユン監督作品を見ていたこともあって、実現へ向けて進行した。ユン監督は「原作は力強く繊細であり、激しさと優雅さがあって、官能的かつ詩情にあふれている。映画化するための幅広い題材を内包している」と作品の魅力を語った。
 ユン監督はデビュー作「青いパパイヤの香り」がカンヌ映画祭カメラドール(新人賞)、米アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。2作目の「シクロ」はベネチア映画祭金獅子賞(グランプリ)を獲得した。

- 日刊スポーツ [07/31(木) 09:53]

  自分は村上春樹作品はほぼ読んでいますが、彼の作品は映像化されたモノが非常に少ないです。それは作者自身が許可していないからというのが一番の要因だとは思いますが、実際に映像化するとなると非常に難しいだろうなぁと、おそらく読んだ人なら思うのではないでしょうか。

 小説でも映画でもそうですが、「物語」と「表現」の両方が素晴らしいという作品はまれです。

 物語をコピーするのは簡単です。しかし、もう一つの表現がやっかい。美しい文章を書くと言うことはとても難しいことですが、それを美しい映像に変換するという作業はある意味それ以上に難しい作業です。

 ましてや世界中で愛されているこの作品は、主人公の「僕」一人だけでもおそらく100人いれば100通りのイメージがあるわけで、だからといって最大公約数的配役ではおそらく納得しないでしょう。

 いろいろな映画とその原作を見てきましたが、一般的にあまり原作にとらわれすぎても良くない気がします。肝の部分、作品のテーマとかメッセージ性は残して、シャクに収まりきらないところは大胆にカット、辻褄を合わせるために少々のアレンジをするなどした方が良い場合もあります。

  でも、この作品については・・・。やっぱり複雑だなぁ。ファンとしては期待3:不安7といったところでしょうか。

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: 文庫

 

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: 文庫


ホームレス中学生 [読書]

「ホームレス中学生」

 今更ですが(笑)


 最初の数ページを読んだ段階で「この文章ありえねぇ!」って思いました。
 言ってしまえば中学生の作文です(笑)

 ただし、それじゃあ全然駄目なのか、つまらないのかといえばそんなことはなかったです。
 だからこその大ヒットなんですね。

 文章はつたなくとも、気持ちは伝わってきます。今の著者があるのは誰のおかげなのか、そしてその人達にどれほど感謝しているのか、それらは確かに伝わってきました。

 「味の向こう側」の話は電車の中で思わず笑ってしまいました。

 「カッパ巻き」の話には正直涙がこぼれ落ちそうになるくらいグッときました。

 これほどの素材があるならゴーストライターにでも書いてもらった方がよかったのでは(オイオイ)

 普段本を読まない人でも全然大丈夫です。これからドラマ化、映画化も予定されているようですし、興味のある方は観る前に読んでおくのも良いと思います。


世界の日本人ジョーク集 [読書]

いわゆる国民性を表す有名なジョークとして次のようなものがあります。

 豪華客船が沈没しようとしています!
 船長は乗客に海に飛び込むように指示しなくてはなりません。
 ところがどの乗客も怖がって飛び込んではくれません。
 そこでそれぞれの国によって指示の仕方を変えたところ、みんな海に飛び込んでくれました。

 アメリカ人には「海に飛び込めばヒーローになれますよ」
 イギリス人には「紳士であればこういう時は海に飛び込むものです」
 イタリア人には「海に飛び込めば女性にもてますよ」
 フランス人には「海に飛び込まないでください」
 ドイツ人には「こういった時に海に飛び込むのは規則です」
 そして日本人には「みんな海に飛び込んでますよ」

 これは日本人=「集団主義」の一面を表したもので、こういったジョークは各国で語られ、またその中に日本人が出てくることも少なからずあるようです。それを集めたのがこれ。

世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 新書

 もちろん、日本人の悪い面だけではなく良い面を表したジョークも数多くあり、そこから世界から見た日本のイメージを垣間見ることができ、なかなか面白いです。

 大ざっぱなイメージとしては、
「優れた技術力」「勤勉性」によって「経済大国」となるが「はっきり物を言わないので何を考えているかわからない」うえに「融通が利かない」一面もある
 といったところでしょうか。

 さすがに今現在日本人がちょんまげ姿だと思っている人は少なくなったようですが(国によってはまだあるらしい)、いまだ「サムライ」「ニンジャ」「ゲイシャ」のイメージも強く、良い言えばミステリアス、悪く言えば理解しがたいところもあるようです。
 最近では「マンガ」「アニメ」を含む「オタク文化」というものもありますね。

 また、日本以外の国もたくさん登場しているのですが、日本人にはあまり知られていない

 オランダ人=ケチ
 ベルギー人=アホ
 スペイン人=ナマケモノ

 などとあまりそれぞれの国民にとってありがたくないイメージを知ることも出来ます。
 ま、そもそもジョークですので、ほめるよりけなす(からかう)方が圧倒的に多いわけです。ですからどの国民にも一つや二つ弱点(?)があるもので、あまり真に受けるのも良くないと思います。
 あ、でもイギリス料理がまずいのは本当です(笑)

 自分は通勤時間の合間に読んでいましたが、短い時間にちょこちょこ読にはほどよい軽さの本だと思います。

 最後に一つ面白かったジョークを一つ

 ある酔狂な大富豪が言った。
 「もしも青いキリンを私に見せてくれたら、莫大な賞金を出そう」
 それを聞いたそれぞれの国の人たちはこんな行動をとった。

 イギリス人は、そんな生物が本当にいるのかどうか、徹底的に議論を重ねた。
 ドイツ人は、そんな生物が本当にいるのかどうか、図書館へ行って文献を調べた。
 アメリカ人は、軍を出動させ、世界中に派遣して探し回った。
 日本人は、品種改良の研究を昼夜を問わず重ねて、青いキリンをつくった。
 中国人は、青いペンキを買いに行った。

 


用心棒日月抄 [読書]

読書の秋とも申しますが、こんなのはいかが?

用心棒日月抄

用心棒日月抄

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/03
  • メディア: 文庫

時代小説というのは、ちょっと敷居が高そうにも思えますが、これはなかなか読みやすくて面白いです。歴史を知らない人でも十分楽しめると思います。

 

当然1冊で一つのストーリーなんですが、いくつかの用心棒エピソードを交えながら、ゆっくりストーリーが進むので非常にわかりやすいです。

 

主人公はやむにやまれぬ事情で脱藩し、江戸で浪人となります。

そこで、食うために剣の腕を活かして用心棒家業に精を出すわけですが、現代で言えば

 

エリートサラリーマンが会社の裏事情を知ってしまったためにフリーターとなり

探偵家業で様々な難事件を解決(時々失敗)

次々に放たれるスパイ達を退けながら、最終的には会社の裏を牛耳るボスと対決!

 

みたいな感じかな?

 

そんな難しい単語がでてくるわけでもないし、キャラクターも個性的で結構笑えます。

剣の腕は一流、情に厚く見た目もハンサムな主人公「青江又八郎」、腕は立つが女と酒にはからっきし弱い用心棒仲間の「細谷源太夫」、ひょうひょうとしながら結構無茶な仕事を斡旋する「相模屋の吉蔵」、それから後に深い因縁になる「大富静馬」や忘れてはならない女忍者(?)「佐知」も。

また、この物語には続きがあり

孤剣―用心棒日月抄

孤剣―用心棒日月抄

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫
刺客―用心棒日月抄(じつげつしょう) (新潮文庫)

刺客―用心棒日月抄(じつげつしょう) (新潮文庫)

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1987/02
  • メディア: 文庫
凶刃―用心棒日月抄 (新潮文庫)

凶刃―用心棒日月抄 (新潮文庫)

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/08
  • メディア: 文庫
と続きます。これらセットで読むとより楽しめると思いますので、是非秋の夜長にいかがでしょうか?
個人的には狐剣(2作目)、刺客(3作目)が抜群に面白いです。意図しないのに勝手に巻き込まれて不幸な状況に追いやられる様はちょっとダイハード的かも。
 
また、ちょいと前にドラマ化もされておりまして、それがこちら
腕におぼえあり DVD-BOX

腕におぼえあり DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2003/11/21
  • メディア: DVD
腕におぼえあり2 DVD-BOX

腕におぼえあり2 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD
腕におぼえあり3 DVD-BOX

腕におぼえあり3 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD
確かBS2で再放送もしていると思ったので、興味のある方は是非。
個人的には抜群のキャストかと思われます。
あと、全然ストーリーには関係ないけれどオープニングのトランペット凄すぎ!

犯人に告ぐ [読書]

 久々に「先が読みたくてしょうがない」状態にさせてくれた小説です。

犯人に告ぐ

犯人に告ぐ

  • 作者: 雫井 脩介
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 単行本

 主人公・巻島を中心にひと癖もふた癖もあるキャラクター達がいわゆる「劇場型犯罪」といわれる一つの事件に対し、ある奇策を打ち出します。それが「劇場型捜査」。

 

 途中中だるみも若干ありますが、後半にかけて事件が急展開、ラストも納得の展開です。

 今度、主演・豊川悦司で映画にもなるようですし、読書好きにはお薦めの一冊です。


私のお気に入り 本編 [読書]

ここ1ヶ月くらいで読んだ本の中から3冊ほどセレクトしました。

「テロリストのパラソル」

テロリストのパラソル

テロリストのパラソル

  • 作者: 藤原 伊織
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 文庫

 発売されたのは少々前の小説ですが、今読んでも十分に面白いです。さすがに江戸川乱歩賞と直木賞を史上初めてダブル受賞しただけあります。
 主人公の島田を含め、登場人物がカッコイイ!そしてラストに待ち受ける意外な事実。展開が早く,映画化したら絶対面白いと思います。
 自分たちの年代が読んでも面白いけれど、きっと団塊の世代の人たちが読めばまた違った印象を持つかもしれませんね。

 

「そして誰もいなくなった」

そして誰もいなくなった

そして誰もいなくなった

  • 作者: アガサ クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫

 誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう名作です。約70年前に発表されたこの小説はのちの様々な物語に影響を与えました。
 この話の凄いところは、現代において読んでも全然面白いんです。今現在でも決して色あせていません。自分も最後の最後まで犯人はわかりませんでした。
 夜1人で読んでいると、結構怖いかも・・・。

 

「一夢庵風流記」

一夢庵風流記

一夢庵風流記

  • 作者: 隆 慶一郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/12
  • メディア: 文庫

 少年ジャンプにて掲載されていた「花の慶次」の原作本としても知られていますね。戦国時代の実在の武将「前田慶次郎利益」の生涯を描いたものです。
 主人公前田慶次はいわゆる「かぶき者」。常に派手ないでたちで、めっぽう戦に強く、それでいて歌や茶の湯にも通じ、男にも女にも惚れられるまさしくスーパーマン。

 また、加賀百万石で知られる前田利家の甥という立場でありながら藩を出奔、自由気ままな浪人暮らし満喫するという、一見なんともうらやましい身分。

 しかし、社会に出てみれば分かりますが、実は「自由気ままな暮らし」を実践するというのはとても大変。自由であると言うことは、誰にも頼られないけれど、誰にも頼れないということでもあり、それだけ自分が果たさなければならない義務があるということでもあります。すべては自己責任です。

 実は他人のレールに乗ったまま過ごす方が楽なんですよね。

 そういった、「自由にはあこがれるけれど現状からはなかなか抜け出せない」人は、この小説を読んで「かぶき者」気分を味わってみるのもいいかもしれません。

 

 ところで、なぜこの3冊かと言えば、実を言うと3冊とも中古で「100円均一」コーナーで買ったんです。過去の名作も、探してみれば意外にリーズナブルに楽しめるんですよね。


ブラバン [読書]

本屋にてふと目にとまったので買ってしまいました。

ブラバン

ブラバン

  • 作者: 津原 泰水
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2006/09/20
  • メディア: 単行本

ストーリー:1980年(昭和55年)、ただ音楽をやりたかった、バンドをやりたかった1人の少年が吹奏楽部に入部する。あれから四半世紀を経た今、あることをきっかけに当時のメンバーが再結成に向けて動き出す。

クラシックの、ジャズの、ロックの名曲にのせ、総勢三十四名のメンバーたちが繰り広げる、大群像劇。

 

感想:一言で言えば

あまずっぱ~い!(スピードワゴン風に)

なんて甘酸っぱさ!まるではちみつレモンキャンディーを3つ同時に口に入れたみたいに甘酸っぱいよ!

 

自分も元吹奏楽部員ですから、やはり当時のいろいろな気持ちとか、出来事、良いことも悪いことも含めて、いろんな想いがよみがえってきました。

この物語の中の吹奏楽部は、全国大会で金賞とれる優秀なバンドではなく、すべでの団員が固い友情で結ばれた美しいバンドでもありません。きわめて標準的な、どこにでもある吹奏楽部です。

自分もそうでした。

バンドという狭いカテゴリーの中で、またさらにグループを作って、ときにケンカして、恋をして、ふられて、つきあって、わかれて・・・。

 

この物語の主人公のように、まったくの楽器未経験者として入部し、なんだかよくわからないまま夏のコンクールに突入、その時の焦りとか緊張感とか、いままで忘れていた気持ちをいろいろ思い出しました。

かつての吹奏楽部員はもちろん、「部活」経験者なら誰しも経験する甘酸っぱくもほろ苦い日々。たった数年間の事なのに、振り返るといろんなモノがつまっているですよね。

まるで思い出の宝石箱や~(彦麻呂風に)

 

あえて難点を言えば、終盤にかけて若干説明不足なところもある気がしますが、何度か読み返せばなんとなくわかってくるとおもいますし、あるいは読者の判断にゆだねられている部分もあるのかもしれません。

 

かつての部活少年、少女たちに是非おすすめの一冊です。

 

それから、今現在、あるいはこれから部活をやる機会があってやっていない人、ぜひ何でも良いから「部活」をすることをお勧めします。すぐには役に立たないかもしれないけれど、振り返ればきっと自分の大きな財産になっているはずです。


バスジャック [読書]

 物事には、発展させること、あるいはシステム化することによって本来の趣旨からちょっとずつズレてしまい、結果的に大いなる矛盾を抱え込むことが多々あります。

 例えば、

 公共の福祉を促進するための法律によって補助が打ち切られる

 地球環境保護のために風力発電所を建設するので森林を伐採する

 平和で安全な生活を送りたいために核爆弾を保有する

 

 など、出来の悪い冗談みたいな事が、現実に起きています。

 

 そういった不条理なシステムが巻き起こす喜劇、あるいは悲劇を描き出すのがこの作者はとても上手だなぁと思いました。

 

バスジャック

バスジャック

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 単行本

 

 デビュー作「となり町戦争」で描いたのはまさしくそういった不条理であり、そこにある可笑しくもあり悲しくもある物語でした(近々映画化も予定されています)。

 その感想レビューはこちら→となり町戦争

 

 今回改めて前作も読み直してみたのですが、なるほど、「戦争」「行政」「男と女」といえば不条理の日本代表選手(あるいは地球代表?)みたいなもんですよね。

 

 で、今回の作品ですが、7つの物語からなる短編集、といって物語に関連性はなく、長さもまちまちです(わずか3ページの物語も)。

 

 表題にもなった「バスジャック」などは、不条理というかナンセンスというか、ここまでいくと完全にギャグですが、それでも一気に読ませてしまう力量はさすがです。

 個人的には「二人の記憶」などは、まさしく「男と女」の不条理を端的に現しているのですが、それでも最後に、前向きに不条理と向き合う主人公たちに希望の光をあてる、筆者のその暖かいまなざしがとても気に入りました。

 

 笑えて最後にちょっとホロリとさせられる、そんなお話を求めている人に

 「バスジャック」

 お勧めです。

 条件:前作が気に入った方・CX系「世にも奇妙な物語」が好きな方

 

 今後はプロフィールにも「関心のあるキーワード・三崎亜記」追加です。

 


ようちゃんの夜 [読書]

 今は週に1,2冊くらいのペースで本を読んでいます。

 どんどん本が増えてゆくので最近は嫁さんからの苦情も。そんなに本を読んで作家にでもなるつもり?なんて小言も言われたりするので、「それもいいねぇ」なんて事言ってみたりもします。

 

 昔から文才がないのはわかっているので、作家デビューなんて無理は承知ですが、こういった本を読んでしまうと、文章を書く、物語を生み出すということがいかに偉大な才能かということを痛感させられます。

 

ようちゃんの夜

ようちゃんの夜

  • 作者: 前川 梓
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本

 

 これは第1回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作であり、作者・前川梓デビュー作でもあるのですが、本の帯にはこんなメッセージが書かれています。

 「前川梓という、新しい怪物が生まれました。」

 

 この物語を読んで、納得。

 リアリズムに溢れ、ファンタジックでもあり、時に優しさに満ちながら、絶えずどこかに痛々しさがある。これは今まで読んだどの作家にもないものです。

 

 ストーリーとしては、主人公アサコとその友人「ようちゃん」との友情であったりあこがれであったり、嫉妬であったり。高校生の頃特有のいろんなものが入り交じった複雑な感情を、独特の表現や台詞回しによって、読む人の心に様々な景色として浮かびあがらせます。

 

 主人公の前でしか見せない、あるいは主人公だけが見えている「ようちゃん」のとき、それ以外の「塙ようこ」であるとき。同じ人物でありながら、それは「だまし絵」のようにまるで違うキャラクターとして表現されます。

 「ようちゃん」という独特のキャラクターは、不思議な魅力があり、主人公ならずとも魅了させられるでしょう。それはすなわち、作家「前川梓」の感受性であり、魅力でもあるということなのでしょう。

 

 思い浮かべれば自分にもあったかもしれません。自分にないもの(金銭とか物質的な事じゃなくて)をいっぱいもった友人に対するあこがれや劣等感、あくまで友人ではあるんだけれど、自分の中でそれだけでは割り切れない感情。

 

 こういった表現、文章を紡ぎ出すには、当然努力もあると思いますが、いろいろな意味で圧倒的な才能があったからだと自分は感じました。

 

 作者は1984年生まれだそうです。

 自分だけの物語を生み出すことが出来ればどんなにすばらしい事だろうを思いますが、自分より圧倒的に若い人にこんなもの見せられたら、とても自分で文章を書いてみようなんて気は全然起きませんね(笑)

 

 この作者が将来どのような作品を生み出し、結果としてどのような評価を受けるのかはわかりませんが、少なくとも自分はこの次の作品も絶対読もうと思っています。

 

 というわけで、作家・前川梓とともに

 「ようちゃんの夜」

 お勧めです。

 

 条件:思ったことを具現化できる能力にあこがれを抱く人


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。